ここ最近、株主優待廃止を発表する企業が相次いでいます。
株主優待の代表格であったオリックス(8591)や日本たばこ産業(2914)などの株主優待廃止は、衝撃的でした。
背景として、主に2つあると考えています。
①株主への不平等是正
1つ目は、「株主への不平等是正」です。
株主還元の代表格と言えば、配当金です。
配当金の場合、保有数が増えれば、比例して増えます。
これに対して、株主優待の場合、100株保有が最もお得なものが多いです。
加えて、海外投資家の場合、そもそも株主優待を受けられず、不平等だと指摘されてきました。
これを是正するために、株主優待を廃止し、違う形(配当金や自社株買い等)で平等な株主還元を目指すというものです。
②東証の市場再編
2つ目は、「東証の市場再編」です。
これまで企業が株主優待を設けていた理由の一つとして、「株主数の確保」が挙げられます。
以前の東証1部上場における条件の1つして、「株主数2,200名」がありました。
このボーダーラインを超えるために、個人投資家の確保を目的として、株主優待を設ける企業が多かったです。
しかし、東証の市場再編後に登場した東証プライムでは、条件が「株主数800名」に緩和されました。
そのため、株主数確保のために、株主優待を設けていた企業にとって、株主優待は不要なものとなってしまいました。
株主優待廃止で思うこと
株主優待を目当てとした投資は、貰えるもの(株主優待+配当金)が多く、初心者にも分かりやすいと思います。
ただし、重要なことが2つあります。
「①株主優待のみを理由に決めないこと」と「②さまざまなシナリオを考えておくこと」です。
①は、言わずもがなですね。
たとえ魅力的な株主優待だとしても、業績がボロボロでは本末転倒です。
株主優待が人気の銘柄は、比較的割高なものが多いです。
どのような投資方法であっても、現在の株価や業績など、総合的に判断する必要があります。
②については、「株主優待が廃止された時に、売却するかどうか」や「株主優待を目当てに購入したが、株価が暴騰した時に、売却するかどうか」など、さまざまなシナリオを想定しておき、その時の対応方法を事前に考えておくというものです。
株式投資をしていると、自分の想定とは違ったことが度々起こります。
その際になって右往左往するのではなく、事前に準備しておき、いざという時にあたふたしないようにすることが重要です。
私も株主優待大好きですが、上述した2点に気をつけながら、今後も投資を楽しんでいきたいと思います。
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